『ハウス・リースバック』とは、今の家に住みながら売却費用をもらい。家に住み続ける新しい不動産の形です。

「家を売ってまとまったお金が欲しい」「今の家に住み続けたいけれど、お金がない……」など、今住んでいる家を売りたいけれど、住むところがない、という状況にはどうすれば良いのでしょうか?

一昔前なら「家を売って、他の家に住む」か「家を売るのを諦める」以外に方法はありませんでした。
しかし、ハウス・リースバックという方法が生まれた事により「家を売って、リースとして今の家に住み続ける」ということができるようになりました。

『ハウス・リースバック』って何?詳しい仕組みを簡単に教えます!

ハウス・リースバックは先にも触れたように「家を売って、リースとして今の家に住み続ける」新しい不動産所有の形です。

ちょっと分かりづらいので、実際に例を出して説明すると次のようになります。

家を売りたいけど、手放したくない「A」さんの場合

Aさんは、ローンの支払いが苦しくなり、家を売りたいと思うようになりました。
しかし、Aさんは500万円のローンの支払を済ませても住むことができる家がありません。

普通であればAさんは、銀行か不動産会社に今住んでいる家を売って、どこか他の家に住むしかありません。

[通常の不動産取引]

  • Aさん → 家を売って500万円のローンを完済、家を失い他の家に住む

しかし、ここでAさんがハウス・リースバックを使った場合、家を売りつつも、今住んでいる家に住むことができます。

[ハウス・リースバック]

  • Aさん → 家を売って500万円のローンを完済、賃貸物件として今の家に住み家賃を支払う

このようにハウス・リースバックを利用すれば、Aさんのように家を売って大金を得ながら、賃貸物件として今の家に住むことができるようになるのです!

もちろん、残りのローンの支払いよりも、不動産価値が高い場合は、手元に大金を残したまま、今の家に住み続ける――ということも可能です。
この場合、手元に残ったお金を老後資金のあてにすることもできます。

『ハウス・リースバック』の5つのメリット

  1. 今の家に住みながら家を売って、まとまったお金をすぐにもらえる
  2. 住宅ローン未完済でも、家を売れて住み続けられる
  3. 持ち家だけでなく、所有マンションでもOK
  4. 家を売っても10年、20年でも住み続けられる
  5. 将来的には売った家を買い戻すことも可能

ハウス・リースバックは上記のようなメリットがあります。

不動産投資とは異なる、今住んでいる家を有効活用できる『ハウス・リースバック』のそれぞれのメリットを詳しくご紹介します。

1.今の家に住みながら家を売って、まとまったお金をすぐにもらえる

家を売ることで、まとまったお金を手に入れることができるのが『ハウス・リースバック』の最大のメリットでしょう。

  • 起業、開業資金に使える
  • 住宅ローンの解消が可能
  • 事業資金に回すことができる
  • 老後資金として貯金することができる

今の家に住みながら、まとまったお金を手に入れることで上記のようなことが可能です。

2.住宅ローン未完済でも、家を売れて住み続けられる

ハウス・リースバックは住宅ローンが未完済であっても、家を売ることができます。
もちろん、家を売った後も住み続けることができます。

普通はローンの支払いのために家を売ったら、その家に住むことはできません。
しかしハウス・リースバックなら、家を売ってローンを完済させた、或いは差額を手にしたまま今の家に住むこともOK!

3.持ち家だけでなく、所有マンションでもOK

通常の不動産売買と同じようにハウス・リースバックでは、持ち家だけでなく、所有マンションを売買できます。

4.家を売っても10年、20年でも住み続けられる

ハウス・リースバックで家を売っても、今住んでいる家を賃貸物件として住み続けることができます。

そして、住み続けられる期限は家賃を払い続ける限りありません。

1ヶ月でも、10年でも、20年でもハウス・リースバックなら今の家に住み続けることができます。

5.将来的には売った家を買い戻すことも可能

ハウス・リースバックで一度家を売っても、その家に愛着があるのなら、その家を買い戻すことだってできます。

売ってしまった家を売って、またその家の所有権を自分に戻す――急にお金が必要になったときに家を売り。まとまったお金をまた貯めてから家を買い戻すことができる。

ハウス・リースバックを活用することで家を手放すことなく、自分の経済を正常に保つことだって可能です。

『ハウス・リースバック』の4つのデメリット

  1. ハウス・リースバックを使ってもローンが残ると家を売れない
  2. 相場価格より、不動産販売価格が1~2割安い
  3. 家賃価格が相場より1~2割高くなりがち
  4. 買い戻すときは売却価格よりも、高くなる

ハウス・リースバックは完全なメリットばかりではありません。

特に注意しなければならないのは「ハウス・リースバックを使ってもローンが残る場合は家を売れない」ということ。

次で詳しく解説しますがハウス・リースバックを使ってローンが完済できない場合は、残念ながらハウス・リースバックを利用することができません。

1.ハウス・リースバックを使ってもローンが残る場合は家を売れない

ハウス・リースバックを利用して、家を売ってもローンが残るようならば、家を売ることはできません。

詳しく図解すると次のようになります。

[ハウス・リースバックが利用できるケース]

  • [500万円のローン] - [売値500万円]= 0円

この場合家を売った金額とローンの金額が相殺されるので、ハウス・リースバックの利用ができます。

[ハウス・リースバックが利用できないケース]

  • [500万円のローン] - [売値300万円]= -200万円

このように200万円のローンと売値が釣り合わない。或いはローンの残高の方が高いケースではハウス・リースバックが利用できません。

『ハウス・リースバック』が利用できるように借り入れするという方法も!

「ローン残高が多すぎて、ハウス・リースバックが利用できない……」という状況でも諦める必要はありません。

ハウス・リースバックで家を売れる金額まで、ローンを返済するか。金融機関や知り合いから借り入れをして、ローン残高を減らせば良いのです!

もちろん、ライフバランスを鑑みて借り入れするかどうかをしっかり考えるようにしてください。

2.相場価格より、不動産販売価格が1~2割安い

ハウス・リースバックに自分の持ち家を売る際には、通常の不動産販売価格よりも、若干安く売ることになります。

これは手数料やハウス・リースバックを行う業者が不動産を買取る差額が発生するからですが、ハウス・リースバックを使ったとしても法外な金額を請求されるワケではありません。

ハウス・リースバックを利用しても、不動産販売価格が相場よりも1~2割り程度安くなるだけです。

3.家賃価格が相場より1~2割高くなりがち

ハウス・リースバックを利用し、持ち家を販売。その後、売った家に住み続ける際には、家賃を支払う必要があります。

家賃に関しても「2.相場価格より、不動産販売価格が1~2割安い」と近い理由で、家賃価格も近隣の相場価格よりも高くなります。

ただし、この場合も相場価格よりも毎月の支払いが1~2割高くなる程度で、生活が苦しくなるほどの支払いを求められることはありません。

4.買い戻すときは売却価格よりも、高くなる

ハウス・リースバックを利用して売った家を買い戻す際には、販売価格よりも高くなります。

例えば1000万円で売った家を買い戻そうと思ったら、1200万円かかる、というケースもあるのです。

また長く住み続けて不動産価値が下がったとしても、買い戻し金額は売却時より高くなってしまうため買い戻しの際には慎重に考える必要があります。

『ハウス・リースバック』は「不動産売却」と「リバースモーゲージ」と何が違う?

『ハウス・リースバック』を使うことで家を売りつつも、その家に賃貸物件(リース)として住み続けることができます。

しかし、似たような仕組みとして「不動産売却」と「リバースモーゲージ」などがあり、ハウス・リースバックとどう違うのでしょうか?

ハウス・リースバック 不動産売却 リバースモーゲージ
一戸建ての売却 できる できる できる
マンション売却 できる できる 難しい
相続人の同意 不要 不要 必要
まとまったお金が入る 入る 入る 入る(毎月定額を借り入れも可能)
家の買い戻し できる 難しい できない
売却した家に住める 賃貸契約で住める 住めない 家賃不要で住める
※融資額が下がると家を追い出されることがある
金利の支払い 不要 不要 必要
売却価格 相場価格-1~2割 相場価格 相場価格より大幅に少なくなる場合もある
※借り主が早期になくなると融資金額が少なくなるため
対象者 全年齢 全年齢 高齢者
リスク

  • 相場より売却価格が1~2割安くなる
  • 相場より賃貸価格が1~2割高くなる
  • 売却価格よりも家を買い戻す金額が高くなる

  • 住む家がなくなる
  • 引っ越しをする必要がある
  • 家を買い戻せない

  • 想定よりも長生きすると融資金額が足りなくなる
  • 不動産価値が下がると融資額が下がってしまう
  • 金利が上昇すると毎月の金利支払額が上がる

実は『ハウス・リースバック』と「不動産売却」「リバースモーゲージ」には上記の表のような違いがあります。

それでは、それぞれの違いについて、詳しく解説して参りましょう。

「不動産売却」は家を売るだけ!今の家には住み続けられません。

「家を売ってまとまったお金が欲しい」と考えた時に、一般的な方法は「不動産売却(任意売却)」でしょう。

銀行や不動産会社に今住んでいる「家」や「マンション」を売ることで、ローンの完済や売却した多額のお金を得ることができます。

ただし「家を売るだけ」なので、売却した家にも住めないですし。家を買い戻すことは、よほどのことが無い限り不可能です。

なお「ハウス・リースバック」「リバースモーゲージ」と異なり、家を売るだけなので、不動産の売却価格は1番高くなります。

「リバースモーゲージ」は高齢者でも今の家に住み続けられますが、リスクも大きい!

ハウス・リースバックと勘違いされがちな「リバースモーゲージ」は、家を担保に、毎月一定の金額(まとめて融資を受けられる場合もある)を受け取ることが可能な「融資の仕組み」です。

ハウス・リースバックと同様にリバースモーゲージも今いる家に住み続けることができます。
※マンションを除く

しかし、ハウス・リースバックと違ってリバースモーゲージは家を売るのではなく、家を担保にお金を借りる仕組みです。

そのため担保となる不動産価格が下がった際には、融資金額も下がりますし。担保となっている今住んでいる家から追い出されることだってあります。

リバースモーゲージは相続人(子ども、兄弟、配偶者)がいない場合は利用が難しいこともありますし。逆に融資金額よりも、不動産価値が下がったときには相続人に借金が残ってしまうこともあります。

そして1番の問題は「不動産売却」と「ハウス・リースバック」よりも、実際に手に入れることができる金額が大幅に少なくなってしまうことです。

ハウス・リースバックを上手に活用して今いる家を有効活用しましょう!

ハウス・リースバックは家を売って、まとまったお金を得ながら、今の家に住み続けることができる“今住んで家を有効活用できる”素晴らしい方法です。

今の家に住みながら、まとまったお金が先に手に入る。このメリットを有効活用すれば、まとまったお金を使って生活を楽にすることができるだけでなく。

借金の返済やローンの完済、事業資金や起業、開業、投資など今の家に住みながらまとまったお金をポジティブな理由で活用することができます。

それに今の家に飽きて引っ越したくなったとしても、すでに「悪くない金額※」で家を売れているため、総合的に考えると得をすることだってあります。

※将来的に不動産価値が下がって家を売るよりも、今家を売った方が値崩れのリスクを避けられるため

もし、アナタが今まとまったお金が欲しいと考えているのなら、ハウス・リースバックの利用を検討されてみてはいかがでしょうか?